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ITSMにおけるAgentic AI:サービスマネジメントの変革

2025/6/27 - 読み終える時間: 11 分

Agentic AI in ITSM: Transforming Service Managementの翻訳版です。


2025年4月2日
Jenix Ravindran
プロダクトマーケティングマネージャー

はじめに:サービスマネジメント進化の軌跡

過去10年間で、サービスマネジメントのデジタル領域は、自動化と人工知能(AI)の波により劇的に進化してきました。かつては手動作業とシンプルなチケット管理が中心だった世界が、今まさに「Agentic AI」の登場によって、新たなパラダイムシフトを迎えようとしています。
Agentic AIとは、ITやカスタマーサポート、設備管理、人事など、さまざまな業務領域におけるサービスの提供と管理のあり方を根本から再定義するテクノロジーです。
従来のサービスマネジメントは、標準化と最適化を重視し、ルールに基づくプロセス運用が基本でした。
しかし、自動化ツールの登場により、定型業務の処理は格段に効率化され、さらに生成AI(Generative AI)や対話型AI(Conversational AI)の発展により、コンテンツ生成やユーザー対応の精度も向上しました。
しかし、意思決定や複雑な問題解決には依然として人間の介入が不可欠という課題がありました。
この課題を解決すべく投稿したAgentic AIは、ITサービスマネジメントの新たなフロンティアを画しています。Agentic AIは、過去の成果から学習し、自律的に判断・実行することが可能なAIです。
この技術革新は、インシデント管理、サービス提供、業務効率化、戦略的計画におけるアプローチを抜本的に変えようとしています。

Agentic AIとは:既存のAI技術との違い

生成AIと対話型AIを超えて

これまでにもさまざまな形でAIは活用されてきましたが、完全に自律的なAIは存在しませんでした。
生成AIはコンテンツを生み出し、対話型AIはユーザーとの会話をサポートし、予測AIは過去データから洞察を導き出しますが、いずれも「ツール」としての域を出ず、最終的な判断や行動は人に委ねられてきました。
それに対して、Agentic AIは「自ら考え、決断し、行動する」AIです。
例として、これまでのAIがカーナビのように道順を案内する役割だったのに対し、Agentic AIは自動運転車のように、状況を読み取りながらリアルタイムで障害を避け、目的地へと向かう存在です。

AIの種類 主な機能 限界 ユースケース例
生成AI 入力プロンプトに基づきコンテンツを生成 意思決定ができない レポート作成、ドキュメント生成など
対話型AI 自然言語による対話を実現 対応は基本的に受動的 質問対応、トラブルシューティング支援など
予測AI 過去データを分析し洞察を提供 行動には人の理解・判断が必要 顧客満足度予測、リスク評価、分類など
Agentic AI 自律的に判断・実行する ガバナンス設計が必要 インシデントの解決、リソースの最適化

生成AI:創造性に富んだコンテンツ生成のツール

生成AIは、テキスト、画像、コード、データパターンなどのコンテンツを、プロンプト(入力指示)と学習済みのパターンをもとに生成します。
人間が作成したかのような自然で洗練されたアウトプットを高精度に生み出すことが可能です。ただし、このAIはあくまでツールであり、自律的に判断や行動を起こすAIエージェントではありません。

対話型AI:人とシステムの自然な対話を実現

対話型AIは、自然言語を通じて人と機械のやり取りを可能にする技術です。
ユーザーの質問を解釈し、適切な情報を提供したり、プロセスを案内したりします。ただし、その対応はあくまで人間側の明示的なリクエストに基づくものであり、主体的に業務課題に対応することはありません。

予測AI:過去のデータから未来を読み解く

予測AIは、トランザクションやイベントの履歴を学習することで、将来の傾向や結果を予測します。
例えば、新しいトランザクションやイベントに対するインシデントの分類、一次対応完了率、変更リスクや成功率、顧客満足度の予測などが可能です。
ただし、最終的な判断とアクションの実行には人の関与が不可欠であり、予測AIはその支援役として機能します。

Agentic AIの“真の自律性”でサービスマネジメントを再定義

従来のAIが人間の補助ツールであるのに対し、Agentic AIは、組織の目的と制約を踏まえ、自律的に意思決定・実行する能力を備えたAIです。これにより、サービスマネジメントの在り方は根本から変わろうとしています。

独立した意思決定:

人間の指示がなくても、Agentic AIは状況を分析し、選択肢を検討したうえで、最適な行動を選択し、組織のビジネス目標やポリシーに沿った判断が可能

  • プロアクティブな介入: 常時システムやプロセスを監視し、問題が顕在化する前に兆候を察知。サービスへの影響を未然に防ぐための措置を自律的に講じる
  • 学習と適応: 自身のアクション結果を評価し、意思決定アルゴリズムを継続的に改善し、業務環境の変化に即した最適な対応を、再プログラミングなしで実現
  • エンドツーエンドのプロセス実行: 複雑なワークフロー内の単一タスクの処理にとどまらず、複数システムや領域をまたぐ一連の業務プロセスを自律的に統合・実行し、問題の検知から解決までを一貫して担うことが可能

日常業務における「Agentic AI」の差別化された強み

その真価は、実際の業務プロセスにおいて明確になります。
生成AIは、一般的なネットワーク問題を解決するための手順書を作成したり、サービスパフォーマンスに関するレポートを自動生成することができます。対話型AIは、ユーザーにトラブルシューティングの手順を誘導したり、予測AIは将来の傾向やリスクを示唆してくれます。
一方で、Agentic AIはそのさらに先を行きます。
ネットワークパフォーマンスを常時監視し、接続品質の低下を自動で検知。必要に応じてルーティングプロトコルの再構成や、アプリケーションの優先順位に基づいたサービス品質パラメータの調整を実行。さらに、これらの変更内容をすべて構成管理データベースに自動で記録し、これらすべてを人間の介入なしに実行するのです。
この自律的な能力を持つAgentic AIは人間の役割を「作業実行者」から戦略的な監督者へと進化させ、業界全体のサービスマネジメントの運用モデル自体を根本的に変革します。

ITサービスマネジメントにおける「Agentic AI」のインパクト

インシデント解決の変革

従来のITサービスマネジメントでは、インシデント対応は「受け身」で行われてきました。ユーザーが問題を報告し、サービスエージェントが記録・分類・エスカレーションし、対応完了までに数時間から数日かかることも珍しくありません。
組織は通常、従来の環境でのインシデント解決にかなりのITリソースを投入していました。
これにより初期の自動化によって初動対応の時間は短縮されましたが、診断や解決は依然として手動対応が必要だった過去があります。
Agentic AIは従来の考え方に革命をもたらします。問題の早期検知・診断・自動解決を高度に実現することで、既知の問題に対しては人の手を介さずに完全自律で対応できるようになります。

実例: データベースパフォーマンスの低下がアプリケーションの応答時間に影響を与えている場合

Agentic AIの対応:

  • 異常を自動で検知し、クエリパターンを分析し、非効率な実行プランを特定
  • 最適なインデックスを作成・テストし、解決策を実装し、パフォーマンス改善を検証
  • ユーザーに影響が出る前に人間の介入なしに修正し、イベントとアクションフローの処理過程はすべてログとして記録し、追跡可能性を確保

サービスデスク業務の強化

従来のサービスデスクでは、人手によるチケット対応が基本であり、応答のばらつきや待ち時間の長さが課題でした。ファーストレベルの解決率も受信した要求の一部しかカバーしておらず、標準的なインシデントでも解決まで数時間かかるケースが一般的です。
Agentic AIはこの仕組みを根本から変えました。
今では、IT・人事・施設管理・財務といった領域におけるルーチン対応をエンドツーエンドで自律的に処理できます。

実例: 従業員が手動のリクエストプロセスにより、マーケティング分析プラットフォームのアクセス申請に手間がかかっていたケース

Agentic AIの対応:

  • ユーザーの役割とコンプライアンス条件を自動確認し、適切なアクセス権限を即時で付与
  • 従業員にアクセス手順を通知し、コンプライアンス記録としてログも自動保存 → 数分以内に全処理を完了、人手は不要

ナレッジマネジメントの変革

従来のナレッジマネジメントは静的な文書化、手作業による更新なので品質に大きなばらつきがありました。
ナレッジ記事は頻繁に古くなり、その品質は作成者の専門知識によって大きく異なります。多くの組織は、ナレッジベースの正確な情報を維持することに課題を抱えており、ナレッジの維持管理には多くのリソースの割り当てが必要であると報告しています。
Agentic AIはこの課題に対して、自己維持型のナレッジエコシステムを構築することで、ナレッジマネジメントに変革をもたらしました。これらのシステムは、成功した解決策や新たなパターンに基づいて、AI自身がナレッジ記事を自動的に生成・検証・更新します。

実例: 進化する解決技術に伴い、ナレッジ記事の作成または更新が必要になったケース

Agentic AIの対応:

  • 特定の同じソフトウェア問題に対する複数の成功事例をもとに、包括的なナレッジ記事を自動生成
  • 最新のケースに照らし合わせて内容を検証し、検索性を最適化し、ユーザーとサポートスタッフの両方が利用できるようにする
  • 解決方法が進化すれば、システムは人間の介入なしに記事を自動で随時更新

進化型の変更管理

標準的な変更管理では、正式なリクエスト、複数レベルの承認、およびスケジュールされた実装期間による制御が重視されてきました。これはリスクを低減する方法ですが、運用上のかなりの摩擦を生み出します。
この方法では、企業環境において、重要な変更の実行が延期されることが多く、時には数日または数週間に及ぶこともあります。
Agentic AIはこの仕組みを継続的・自律的な改善プロセスへと変革します。
最新のシステムは、最適化の機会を独自に特定し、実行戦略を策定し、実行と結果の継続的な監視まで最小限の人手で完結。従来のアプローチと比較して、AIによる変更管理を導入している組織は、改善実施の回数が増え関連インシデントは減少する傾向が明確に見られます。

現場での活用シナリオ:ネットワークルーティング設定を最適化するための手作業による分析と実装。

従来の課題:

ネットワークルーティングの最適化には、トラフィック分析や構成変更の設計・実装が必要で、専門家による手動対応に大きく依存していました。

Agentic AIによる変革:

  • 数週間にわたってトラフィックパターンを継続的に観測後、Agentic AIシステムはルーティング構成を最適化する機会を特定
  • 自動的に実装計画を策定し、低トラフィック時間帯を選んで変更をスケジュールし、現在の構成のバックアップを作成
  • 変更前の構成をバックアップしつつ、段階的に構成を実装
  • パフォーマンス指標を監視しながら変更を段階的に実装し、プロセス全体を構成管理データベースに文書化

資産および構成管理の進化

従来の資産管理は、定期的な手作業による棚卸しや構成の追跡が行われていましたが、これらはすぐに時代遅れになってしまいます。
従来のアプローチを使用している組織は、全体データの正確性や網羅性に課題を抱えていました。結果として、コンプライアンス違反や運用リスクが発生しやすい状況でした。

Agentic AIによる進化:

  • 環境全体にわたる自動かつ継続的な資産発見と関係性マッピングを実現
  • リアルタイムで資産や依存関係、構成を把握
  • 使用状況とビジネス優先度に基づき、資産のライフサイクル最適化を自動で実行

実例: ハイブリッドクラウド環境全体におけるリソースの未活用や負荷の偏りがある場合

Agentic AIの対応:

  • ハイブリッドクラウド環境全体のサーバーパフォーマンスや利用パターンを常時モニタリング
  • 未活用リソースを検出し、自動的にワークロードを再配分
  • 所定のスケジュールではなく、実使用状況に応じてハードウェア更新時期を見直し、コストとパフォーマンスを最適化

オペレーショナルインテリジェンスと継続的改善

従来の分析ツールは、過去のデータに基づくレポートが中心で、リアルタイムの最適化には限界がありました。
Agentic AIは、リアルタイムでのパターン分析・改善提案・自動実装を可能にし、オペレーショナルインテリジェンスを新たな次元へと引き上げます。

実例: アプリケーションパフォーマンスを最適化するためには、テクノロジースタック全体で継続的な手動調整が必要な場合

Agentic AIの対応:

  • アプリケーションのパフォーマンスをリアルタイムで監視し、最適化の機会を特定
  • データベースクエリ最適化、キャッシュ設定、負荷分散、リソース割り当てなどを自律的に調整
  • 中断を伴わない段階的な最適化で、パフォーマンスを着実に向上

ステークホルダー別の戦略的メリット

従業員・エンドユーザー向けの価値

Agentic AIは、組織全体の従業員とエンドユーザーのサービス体験を変革しました。従来のサービスモデルでは、対応の遅さ、サポート品質のばらつき、複雑なサービス構造プロセスがユーザー体験を損なっていました。今日のAgentic AIは、これを根本から再構築します。

  • 即時対応: 以前は数日かかっていた一般的なリクエストが、今では瞬時に処理・解決され、従来の待ち時間が完全に解消
  • 一貫性のある体験: 対応者やチャネルによるサービスの質の差が解消
  • 能動的なサポート: 最悪のタイミングで発生するシステム障害も、発生前に未然に解決し、スムーズな業務フローを維持
  • コンテキスト保持: システムはインタラクション全体で完全なコンテキストを維持するため、情報を何度も繰り返したり、問題を何度も説明したりする煩わしさがなくなる
  • 24時間365日グローバル対応:地理的およびタイムゾーンの制約がなくなり、いつどこでサポートが必要になっても一貫したサービス品質が提供可能

1日の業務に見るAgentic AIの価値

マネージャーの場合

マーケティングマネージャーのサラが、重要なクライアントミーティングの前に、プレゼンテーションソフトウェアに潜在的な問題が発生したと気づきます。
しかし、彼女が問題を報告する前に、Agentic AIが不具合を検出し、根本的なドライバーの競合を特定し、修正を実施。数分以内に通知が届く頃には問題はすでに解決済み。準備は中断されることなく完了。

サービスデスク担当者の場合

サービスデスクアナリストのマークは、かつてはパスワードリセットや基本的なトラブル対応に追われていました。
今では、Agentic AIが日常的な業務を処理し、彼の問題解決スキルと技術的専門知識が大きく貢献できる、より複雑なアプリケーション統合や技術課題に集中できるようになった。
Agentic AIシステムはさらに、彼のスキルに応じた学習コンテンツを提案し、キャリアの成長も後押しします。
サービスデスクの専門家は、日々の業務において最も深い変革を経験しています。
Agentic AIを導入している組織のエージェントは、従来の環境と比較して、仕事の満足度が高く、離職率が低い傾向にあります。

この変革のポイント:

  • サービスデスクエージェントは、人間の創造性と批判的思考を真に必要とする複雑な課題に集中
  • AIが状況に応じた解決策や背景情報を提示し、効率的な対応を支援し、時短となる
  • エージェントの経験に基づいて、キャリア目標と組織のニーズに合ったパーソナライズされたスキル育成を実現 問題解決に必要な情報を、必要なタイミングで提供し、サービスエージェントが問題をより迅速に解決するのに役立つ

サービスマネジメント者の場合

サービスデリバリーマネージャーのジェニファーは、以前はリソース調整やコンプライアンス文書の確認に何時間も費やしていました。
今ではサービス戦略と体験設計に集中しています。Agentic AIが人材スケジュール管理とコンプライアンス文書の処理を代行するため、彼女は大幅な時間節約を実現しています。
また、Agentic AIは将来的な需要を予測するインサイトも提供するため、ジェニファーは将来のサービスニーズを効果的に計画できます。
手動承認やリソース調整に埋もれる代わりに、ジェニファーのような管理者は、AIがルーティン作業を処理する間、大きな視点での戦略に集中できるようになるでしょう。

得られるメリット:

  • ワークロードのバランス最適化と予測型リソース配分によるダイナミックな最適運用、手動介入なしに最適なサービス提供を実現
  • サービス活動の継続的モニタリングと文書化による最小限の管理負荷で自動コンプライアンス管理
  • サービスカタログ/ワークフロー管理の自動化と利用パターンおよび結果に基づく継続的な最適化により、サービスマネジメントの簡素化
  • 高度な分析による予測的な洞察により、管理者は過去のパフォーマンスの事後報告ではなく、能動的なアプローチを採用可能

意思決定者の場合

CIOのマイケルは、従来は安定運用とイノベーション推進のバランスに苦慮していました。
しかし今では、Agentic AIが基幹サービスの安定運用をリアルタイムで支援してくれるため、マイケルとそのチームはデジタルトランスフォーメーションに注力できるようになりました。
さらに、AIが提供する包括的なインサイトにより、リソース配分や戦略的な意思決定をより的確に行えるようになっています。
サービスマネジメントのために高度なAIを導入している組織は、運用コストを削減しながら、サービス品質とビジネスの俊敏性を向上させることができます。

主な利点:

  • ルーティン業務をAIが処理することで、イノベーションや戦略的施策へのリソース配分が可能に
  • 能動的な問題の予防と自動対応による運用レジリエンスの向上
  • 高度なインサイトに基づいた戦略的計画と投資判断の高度化

導入における限界と課題

Agentic AIは著しい進歩を遂げていますが、いくつかの重要な限界が残っています。

技術的制約

  • 複雑な例外ケース: 類似の履歴が乏しいケースでは、依然として自律システムにとって課題であり、人間による介入が必要
  • ドメイン横断的な推論の難しさ: 人間のように複数の知識領域を統合的に判断するのは依然困難
  • 説明責任の課題: AIの判断根拠が分かりにくい場合があり、透明性や信頼性に影響

組織の準備状況

  • レガシーとの統合: 古いツールや旧システムの複雑に絡み合う既存環境へのAI連携は依然として大きな導入障壁
  • データ品質の問題:一貫性のない、 不完全な、または不正確な履歴データがAI性能に悪影響を及ぼす
  • 文化的適応: 人間中心からAI主導の運用へと移行するには、組織文化の転換が不可欠

業界別の配慮点

  • 医療分野: 患者の安全性と規制対応の観点から、厳格なガバナンスと監視システムが必要
  • 金融サービス: 取引の透明性やコンプライアンスの確保には高度な監査体制が必要
  • 製造業:物理的な機器を伴う複雑な運用環境には、産業用制御システムとの専門的な統合が必要
  • 公共部門: 高い透明性と調達上の制約から、段階的な導入アプローチが必要

HCL SX:Agentic AIの実装を支える実践的ソリューション

ここまでAgentic AI企業サービスマネジメントにおける範囲、メリット、課題を探求した上で、真の疑問は「それを実際にどう導入するのか?」ということです。
当社のHCL SX は、サービスマネジメントプロセスにAIの効率性をもたらすように設計されています。
これは、AI駆動型でノーコード、企業向け対応のサービスマネジメントソリューションであり、デジタル変革を加速し、顧客体験を向上させ、IT領域を超えてサービス保証を強化します。
HCL SXは以下のような機能によって、Agentic AIの企業領域への実装を可能にします:

主な機能と特長

  • 自律型インシデント管理: IT、人事、施設管理の領域で事前定義された実行手順を適用し、状況に応じて柔軟に対応。システムは成功事例から学習し、必要に応じて複雑な問題を人へのエスカレーションも自動化
  • MicroSkilled Agents(マイクロスキルエージェント): 特定のタスクに特化したAIエージェントが深いドメイン専門知識を用いて精密な対応を保証し、焦点を絞った領域内で継続的に学習し精度を向上
  • 人とAIの協働: 複数のAIエージェントが並行して連携し、複数の領域にまたがる複雑な課題に対処し、AIが独自のシナリオでさらに学習が必要な場合、必要に応じて人間の判断を取り入れながら総合的なソリューションを提供
  • デジタルツイン: インシデントマネージャーやサービスデスクエージェントなどのの特定の役割の専門知識を再現し、役割固有の知識を適用しながら、人間の行動から継続的に学習
  • 動的なワークロード配分: スキル、稼働状況、優先度に応じて最適な作業分配を実現し、チーム全体の対応スピードを向上
  • プロアクティブな問題管理: 能動的なパターン分析により潜在的な問題を予測し、サービスに影響が出る前に根本原因へ予防策を実装

Agentic AI導入を成功させるためのポイント

Agentic AIを効果的に導入するには、既存のガバナンス体制、業務プロセス、システム、コンプライアンス要件とシームレスに統合できることが前提です。
以下は、ITサービスマネジメントにおけるAI実装を成功に導くための「簡易プレイブック」です。

  • 段階的な導入戦略の立案(PoC→限定導入→全社展開)
  • データ品質の確保と統合基盤の整備
  • 業務ごとのAI活用ケースの明確化
  • 人材育成とAIリテラシーの向上
  • ガバナンスと監査の枠組み整備

Agentic AI導入の課題をどう乗り越えるか?

Agentic AIを組織に導入するうえでの最も重要な前提は、既存のガバナンスポリシー、業務プロセス、システム、コンプライアンス要件と自然に統合されることです。
ここでは、ITサービスマネジメントにおけるAI導入を成功させるための基本要素と実践的なアプローチを、プレイブック形式でご紹介します。

1. 既存システムとの統合

Agentic AIの実装には、既存のツールや業務プロセスとの慎重な統合が必要です。組織は以下のことを行うべきです。

  • 現行のサービスマネジメント技術に関する包括的な評価を実施
  • サービス継続性を維持する段階的な統合戦略を策定
  • 相互運用性を促進するために、標準化されたAPIやデータモデルを実装
  • 移行期にはハイブリッド運用の併用も検討

2. ガバナンスと統制の仕組み

自律的に動作するシステムには、組織的な枠組みの中で適切に運用されるためのガバナンスが不可欠です。

  • 自律的な判断の適用範囲(権限)を明確化
  • ログ記録と監査機能を備えた包括的な追跡可能性の実装
  • 例外的な状況に備えたエスカレーション経路を確立
  • 問題の早期発見のためのパフォーマンス監視フレームワークを構築

3. 変更管理とスキル開発

エージェント型への移行は、サービス従事者にとっての大きな変化を伴います

  • ビジョンと導入メリットをタイムリーかつ一貫して伝達
  • 新たな役割と責任に関する包括的なトレーニングの提供
  • 適応とイノベーションに対する評価と報酬制度の設計

4. 倫理・コンプライアンスへの対応

AIが意思決定に関与する場合、組織には重要な倫理的配慮も求められます。

  • 透明性のある意思決定プロセスの確保
  • 機密性の高い、センシティブな判断領域では人間の関与を維持
  • データプライバシーに関する要件への積極的対応
  • 自律運用が業界規制に適合していることを確認
  • 意思決定におけるアルゴリズムのバイアス対策の保護措置を実装
  • 自律的な行動に対する明確な説明責任の枠組みを構築
  • システム進化に応じた業界規制への継続的な準拠を確保
  • 必要時には人間による介入が可能な体制を整備

Agentic AIの技術基盤を理解する

効果的な導入準備を進めるうえで、Agentic AIの技術的な基盤を理解しておくことも重要です。

学習アプローチ

エージェント型AシステムIは、通常、複数の学習アプローチを採用しています:

  • 強化学習: 試行錯誤とフィードバックを通じて最適な行動を学習し、最終的に、明示的なプログラムなしに意思決定能力を改善
  • 転移学習: サービスマネジメントに特化した事前学習済みモデルを活用し、開発の高速化とデータ要件の低減を実現
  • 連合学習: データプライバシーとセキュリティを維持しながら、分散された環境全体でAIモデルを訓練することを含む
  • 継続学習: 手動での再学習を必要とせず、運用データと結果の継続的な分析を通じて、システムが能力を進化させ、機能拡張を実現

データ依存性と品質要件

Agentic AIの効果は、投入されるデータの質に大きく左右されます。

  • 過去のインシデント対応データ: 影響や成功した解決方法の履歴がAIの意思決定の土台に
  • 構成情報:CMDBデータは、システムが運用環境の文脈理解と変更影響の予測を可能に
  • サービスレベル合意(SLA):または正式なパフォーマンス期待値は、優先順位やリソース配分を導くための基準
  • ユーザーフィードバック(構造化/非構造化): AIの自己評価とアプローチの改善に活用
  • ナレッジリポジトリ: ポリシー、計画、手順書などの知識資産が、AIシステムに一般的な問題に対処するためのガイドラインと手順を提供

組織のAgentic AI導入準備度を評価する

Agentic AIを効果的に導入するには、組織の準備レベルを正しく把握することが重要です。以下に示す成熟度モデルを使って、その導入準備度を評価してみましょう。

レベル 説明 主な特徴 注力すべき領域
1: 基礎段階 基本的な自動化と標準化が実施されている状態 プロセスの文書化、基本的な自動化ツールの利用 プロセスの標準化、データ品質の改善
2: 統合段階 システムが接続され、高度な自動化が可能な状態 APIによる連携、ワークフローの自動化 システム統合、データガバナンスの強化
3: インテリジェンス 人による監督のもと、AIが業務を支援する段階 予測分析、レコメンデーションエンジンの活用 AI機能の活用、知識管理の推進
4: 自律性 定められた範囲内でAIが独立して運用 自律的な問題解決、自己最適化 ガバナンス体制の整備、スキル変革
5: オーケストレーション エンドツーエンドの自律的サービスエコシステムが実現された状態 ドメインを超えた連携、継続的な適応 戦略的最適化、イノベーションの推進

Agentic AIがサービスマネジメントに与える将来的な影響

AI技術が進化する中、ITサービスマネジメントにおいていくつかの重要なトレンドが浮き彫りになっています。

プロセス自動化から成果最適化へ

従来のサービスマネジメントは、標準化と効率化に重点を置いていたのに対し、Agentic AIは成果の最適化へと焦点を移します。
AIシステムは、単にあらかじめ決められた手順に従うだけでなく、状況や優先順位の変化に応じて、目的達成のために最適な判断と対応を自律的に行うようになります。

人とAIによる協働体制の構築

サービスマネジメントの未来は、AIが人間の仕事を置き換えるのではなく、むしろ、成功する協働フレームワークを構築することにあります。
Agentic AIシステムは日常的な運用を自律的に管理しつつ、人間が複雑な問題解決、イノベーション、関係管理において能力を向上させることを支援します。
この間とAIの協働体制を成功裏に構築できる組織こそが、競争優位性を獲得するでしょう。

クロスドメイン統合の実現

Agentic AIは、従来のようにIT、人事、施設管理、財務などが分断された運用モデルを超え、複数の業務領域を横断する統合的なサービス体験を可能にします。
この統合は、個別の機能要件ではなく、相互に関連するビジネスニーズに対応する、包括的な問題解決とサービス提供を可能にします。

予測型サービスモデルへの進化

AIサービスマネジメントシステムの予測機能が進化するにつれ、潜在的な問題が運用に影響を与える数日あるいは数週間前に、真の予見的なアプローチで対応するようになるでしょう。
これにより、重大な変化や課題が発生しても、継続的なサービス可用性を維持できます。

あなたの組織ではどうですか?

貴社の組織では、AIを活用したサービスマネジメントの導入を検討されていますか?
導入に際して直面している課題や、実際に得られたメリットはありますか?
あるいは、業界におけるAgentic AIのどのような特性に期待や不安を感じていらっしゃいますか?

当社のチームにご連絡ください

Agentic AIが貴社のサービス運用をどのように変革できるか、ぜひ当社のチームと議論しましょう。初期のユースケースを検討中の方も、自律的な機能の拡大を検討中の方も、以下のテーマについて話し合いましょう:

  • 業界特化型の導入アプローチ
  • ガバナンスとリスク評価の枠組み構築
  • 自社環境に即したROI(投資対効果)分析
  • スキル移行・組織変革の計画立案

AI駆動型サービス変革に関する貴社の経験や、パーソナライズされたコンサルティングをご希望の場合は、ぜひ当社までご連絡ください。
注:このブログでは、サービスマネジメントにおけるAgentic AIの現在の能力と将来の可能性を紹介しています。一部の企業は既にAgentic AIの導入を進めている企業もあれば、これから探索を始める企業もあります。
どの段階にあるにせよ、AI主導のサービスマネジメントは確実に未来の標準となるものであり、今こそ準備を始めるべきタイミングです。導入の時期や方法は、組織の準備状況、業界要件、特定のビジネス目標によって異なります。


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Agentic AIがMSPのITサービス管理(ITSM)を「受動型」から「能動型」へと変革する

2025/6/6 - 読み終える時間: 2 分

How Agentic AI is Shifting MSPs from Reactive to Proactive ITSMの翻訳版です。


2025年3月12日
Suparna Barman
プロダクトマーケティング

新しい世代の労働者層が現れ、ハイブリッドワークモデルが定着する中で、顧客は常時利用可能で、アクセスしやすく、パーソナライズされたサービス体験を強く求めるようになっています。
一方で、企業がこうした変化に適応していく中、IT部門は、複雑かつ変化の激しい技術環境を管理しながら、シームレスなデジタル体験を提供するという継続的なプレッシャーにさらされています。
ITのダウンタイムやサービス中断は、ハイブリッド時代における大きな問題の一つです。調査によると、ハイブリッドで働く従業員の61%がITの問題解決に時間を費やしており、予防的かつAI駆動型のサポート体制の必要性が浮き彫りになっているといえるでしょう。
こうした潮流を受けて、企業はITサポートの高度化を目指し、AIの導入を加速させています。
実際、全体の71%の組織が、チケット件数の削減や効率性およびサービス品質向上のために、AIベースのITサービスマネジメント(ITSM)ソリューションを積極的に模索しています。
AIによる自動化への移行は今後さらに加速し、2028年までには企業向けアプリケーションの33%にAgentic AIが組み込まれると予測されています。
これは、2024年時エージェント型での導入率1%未満からの大幅な成長です。
企業は、より迅速かつインテリジェントで能動的なITサービスを求めています。
このような傾向から、Agentic AIはもはや遠い話ではないことを示唆しています。特に大規模なITサポートを担うマネージドサービスプロバイダー(MSP)にとっては、受動的なトラブルシューティングから能動的・予測的なIT支援への転換が極めて重要です。
MSPは、AIを活用したサービス管理で時代の先端を行く必要があり、それは効率性を高めるためだけでなく、将来にわたって競争力を維持するための体制強化が求められています。

MSP業務における人間主導のITサポートの隠れたコスト

現在、多くのMSPは人間主導の手作業プロセスに大きく依存しており、ITサポートは非効率的でコスト高になっています。
AIを活用した自動化が進んでいないMSPでは、大規模な人員確保・育成・オフショアリングが必要となり、人材確保の問題に直面します。
また、L1〜L3といったレベル構造に基づく従来型のサポートモデルは、プロセスのボトルネックを生み出しやすく、ベテラン社員の「属人化された知識」への依存は、離職時のサービス中断リスクを引き起こします。
AIが導入されていない場合、対応は依然として手動による修復が一般的であり、平均解決時間(MTTR)の長期化やトラブル対応の遅延が頻発します。
標準化、リアルタイムレポートやプロセス自動化の欠如は、一貫性のないサービス品質やコンプライアンスリスクを招く原因ともなります。
最終的にMSPは、イノベーションよりも運用に多くの費用を費やし、知的財産(IP)やAI駆動型ソフトウェアソリューションを開発する能力を制限しています。

インテリジェントな可用性管理

MSP(マネージドサービスプロバイダー)にとってサービスの可用性は極めて重要であり、突発的な障害は、顧客満足度の低下や売上損失に直結します。
Agentic AIによるリアルタイムの可用性モニタリングは、異常や通常と異なる挙動を障害発生前に検知します。AIによる障害予測は、潜在的なリスクを評価し、そのビジネスへの影響度に応じて優先順位を付けます。
問題が検出されると、自動化された根本原因分析により、問題の原因が迅速に特定され、修正措置が推奨されるため、解決までの時間が大幅に短縮されるでしょう。
修正措置は、事前承認済みの対応策をAIが自律的に実行し、サービス中断を最小限に抑制。復旧後もAIが改善状況を継続的に検証し、予測モデルを強化して将来のリスクを低減に繋げられます。

インテリジェントなキャパシティ管理

Agentic AIは、リアルタイムのキャパシティ監視が可能となり、サービスパフォーマンスに影響を及ぼす前にボトルネックや異常を検知可能です。
過去の傾向や外的要因をもとに将来のリソース需要を予測するAI主導の予測機能により、プロアクティブな計画立案ができるようになります。
AIは、キャパシティを最大化するために、インフラの増強、ワークロードの再配置、リソースの再調整など、需要に適切に対応するための最適なリソース変更を提案します。
また、あらかじめ承認されたスクリプトや外部システムとの連携を活用して、プロビジョニングや調整を自動で実行し、人的介入を最小限に抑えます。
さらに、AIは導入後のパフォーマンス向上を継続的に検証し、フィードバックループを通じてナレッジを蓄積し、キャパシティマネジメントの手法を継続的に改善していけるでしょう。
このようなAI主導のキャパシティ管理戦略により、MSPは運用コストの削減、キャパシティ関連の障害の回避、リソース活用の最大化の実現と安定したサービス提供を両立することができます。

動的なSLA管理

AIによるSLAリスク分析は、SLA違反の兆候や異常を早期に検知し、MSPは違反になる前に問題を解決するための事前対策を講じることがでます。AI主導のリソース最適化により、動的にリソースを再配分してリスクを軽減し、サービス停止を回避可能。また、AIによる自動通知がSLAの脅威や潜在的な違反、および必要なリソースの再調整について関係者にリアルタイムに伝達し、意思決定を迅速化します。
AIは、過去のSLAパフォーマンスを調査し、過去のパターンに基づいて継続的な改善を推奨することで、分析後に得られた教訓に関する洞察を提供します。

サービスデスク要員のスキル強化

L1(一次対応)エージェントのスキル不足は、サービスデスクの効率低下を招く要因です。
Agentic AIは、エージェントのパフォーマンスを継続的に分析し、繰り返し発生する課題やスキル不足を可視化出来るため、エージェントのスキルアップを完全に変革する可能性を秘めています。
AIは、エージェントが自身の専門分野外の問題に直面した際に、プロアクティブにギャップを特定し、個別のトレーニングプログラムを提案します。
学習の進捗状況はAI主導のメンターシップによって監視され、エージェントが必要な能力を順調に習得することを保証します。
トレーニング完了後は、習得内容を標準化された教育モデルとして他のL1エージェントにも展開可能となり、サービス全体の品質が底上げされます。
この仕組みにより、エスカレーション件数が減少し、一次解決率が向上し、MSPsがより有能で自律的なITサポートスタッフを育成するのに役立ちます。

タスク管理の自動化

作業量と経験に基づいてタスクを自動的に追跡し、適切な担当者に割り当てることで、Agentic AIはタスク管理を簡素化します。
あらかじめ設定された指標に基づき、タスクの状態を継続的に把握し、遅延が発生しそうな場合は事前に通知。AI主導のプロアクティブな通知は、タスクの完了に予想以上の時間がかかる前にユーザーに警告を発し、納期遵守を支援します。
タスク完了後は、自動でクローズ処理を実行し、手動での追跡や確認作業を削減し業務効率が大幅に向上します。

L1サポート依存を減らし、カスタマーサービス品質を強化

現在、ユーザーは「常時対応・即時解決」のITサポートを当然のように求めています。
しかし、従来のL1サポートチームは、パスワード再発行、システムアクセス申請、ソフトウェアのインストールなど、繰り返し発生するチケット対応に追われがちです。
こうした典型的な問い合わせは、Agentic AIを搭載したバーチャルエージェントが即座に処理します。人的対応を不要とすることで、サポート体制の負荷を大幅に軽減可能。文脈認識型バーチャルアシスタントやAIチャットボットが個別に最適な対応を行い、ユーザー満足度を向上させます。
インテリジェントなチケットルーティングと優先度制御により、複雑な課題は速やかに適切な担当へエスカレーションされ対応遅延を防止できます。
MSPはこれにより、貴重なIT人材をより高度で付加価値の高いプロジェクトへシフトさせながら、優れたカスタマーサービスを維持できるでしょう。

Agentic AIによる競争優位の獲得

MSP(マネージドサービスプロバイダー)にとって、サービス品質の維持と運用コスト削減の両立は常に大きな課題です。
IT環境の複雑化と顧客要求の高度化が進むなか、従来型のリアクティブ(事後対応型)なITSM(ITサービスマネジメント)では、競争力を維持することがますます困難になっています。
こうした課題に対応するため、MSPはAgentic AIを活用して業務プロセスを自動化し、リソース配分を最適化、さらには障害の予兆を検知し未然に対処する能動的な体制を構築することで、ITサービスの品質と効率を同時に高めることが可能になります。
自己修復機能や予測保守を備えたAgentic AIを導入することで、サービスのエスカレーションやチケット数、IT資産の管理負荷を削減し、TCO(総所有コスト)を大幅に抑制。
結果として、MSPは費用対効果の高い、高品質なITサポートを提供しながら、収益性の向上も実現できます。
こうした先進的なAI主導型ITSMをいち早く導入することで、MSPは業界内でリーダーとしての地位を確立し、他社に先行する競争優位性を獲得することができます。
弊社のAI搭載サービスマネジメントプラットフォームにご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください


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HCL Japan の Software 部門の複数担当者で HCL Software 全般について記しています。

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