Unmasking the Shadows: The Role of API Discovery in Effective Cybersecurityの翻訳版です。
2025年4月23日
Adam Cave
HCL AppScan プロダクトマーケティングマネージャー
「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、現代のアプリケーションの生命線である」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
モバイルアプリから複雑なエンタープライズシステムに至るまで、APIはシステム間の円滑な通信やデータ連携を支えています。
しかし、このAPIの急速な普及が、いまや深刻なセキュリティリスクとして浮上しているのをご存知でしょうか?
攻撃対象領域が急拡大しており、従来のセキュリティ対策だけでは対応しきれない状況が生まれているのです。
Salt Securityの2025年第1四半期に発表した「APIセキュリティレポート」によると、回答者の99%が過去1年以内にAPIに関連する問題を経験し、55%がAPIセキュリティ上の懸念から新アプリのリリースを遅らせたと報告しています。
都市全体を守ろうとしているのに、通りや裏道、抜け道の全体像がわからない――。
それが今、多くの企業が直面している状況です。APIのエンドポイント、データの流れ、認証機構といった情報が把握できていなければ、セキュリティチームは盲目的に飛んでいるようなものです。
自社が何を保有しているかを知らなければ、それを守ることはできません。
だからこそ、効果的なAPIセキュリティは、最初のステップとしてAPIディスカバリーがあって初めて完成するのです。
従業員1万人以上の大規模企業では、管理対象のAPIが数千単位にのぼることも珍しくありません。
中規模企業であっても、数百のAPIが日常的に利用されているとされています。
効果的なAPIディスカバリーは、企業が管理する必要のある、あるいは当然見つかると予想されるAPIを把握するだけではありません。
「シャドーAPI」つまり文書化されていない、あるいは単に隠れた危険なAPIを特定するのにも役立ちます。
これらは通常、保護されておらず、不正な人物による操作の危険性が高いのです。
そのため、環境を自動的かつ継続的にスキャンできるAPIディスカバリーツールは、こうした目に見えない脆弱性を明らかにするのに役立ちます。
ただし、APIディスカバリーのプロセスは、APIの存在を検知するだけで終わりではありません。
その動作の把握や通信トラフィックの追跡、機密データの露出状況の特定など、より深い分析が求められます。こうした振る舞いの分析は、現在進行中の攻撃の兆候を検出する上でも非常に有用です。
APIディスカバリーの重要性は、APIセキュリティの領域に限定されません。企業全体のサイバーセキュリティ戦略の根幹にも関わってきます。
APIは、しばしば機密データや基幹システムへの入り口となっており、万が一APIが侵害されるとデータ漏えいや不正アクセス、さらにはシステム全体の乗っ取りといった深刻な被害につながる可能性があるためです。
APIディスカバリーを組み込むことで、組織全体の攻撃対象領域が可視化され、
APIの状況は常に進化し、変化しています。新しいAPIの追加、既存APIの更新、そして新たなシャドーAPIの出現します。
これらはすべて、一回のスキャンでは対応しきれないため、継続的なモニタリングこそがこの変わり続ける環境に対応するための鍵となります。
HCL AppScan API Securityが提供するようなリアルタイムのAPIエコシステム可視化ツールを導入することで、新規APIや変更されたAPI、さまざまなセキュリティリスクを即座に特定することが可能です。
継続的モニタリングでは、脆弱性が悪用される前に検出・対応するための能動的なセキュリティ対策が実現します。
また、APIディスカバリーは単に推奨されるベストプラクティスではありません。
API中心の現代においては、必要不可欠な取り組みです。
体系的かつ定期的なAPIディスカバリーを実施することで、APIセキュリティの強化だけでなく、組織全体のサイバーセキュリティ体制を向上させることができます。